迷える小狐に愛の手を。
最終話





chapter:想い遙かに、忍ぶ恋





幸は突然オレの尻に指を這(は)わせ、デニムの上から尻の穴に指を入れてきた。

少ししか入っていないのに、身体が疼く。

オレ、幸を欲しがっているんだ。


幸と話しているだけ――。

ただ、それだけなのに、オレの身体は幸を求めて熱くなる。

ほんと、オレって、幸が好きなんだな……。

「や……ゆきっ」

抵抗できなくて、幸の服を握りしめるオレに、幸はクスリと笑う。


「だから、こうなったことを後悔はしていないよ。たとえ、身体を繋げた結果が人間という枠組みを外れ、妖狐という生き物になったとしても、古都を抱けたんだ。それと引き換えに同じ妖狐になるのは本望だ。

だが、いくら意識がなかったとはいえ、古都を傷つけてしまった。……すまない」

オレの肩に巻かれた包帯を視界に入れると、幸は思いつめた顔をして、謝罪した。

でも、これは、幸を求めた結果だ。

「ちがうっ!! 幸が謝らなくってもいい!! オレが、オレが幸を巻き込んだんだ!!」

「そう? でもね、やはり、これは俺が付けてしまった傷だ。それに、この腹の傷は俺を庇(かば)ったがために、できてしまった傷だ。古都がそう思うのは、違うと思うな。

だが、この傷さえも愛おしいと思うのは俺の残酷な一面だろうか」

ゆき…………。


「俺が妖狐の力にねじ伏せられそうになった時、古都の声が聞こえたんだ。君はずっと意識のない俺に呼びかけてくれた。必死に謝って……涙を流していた。深手を負わせ続ける俺を、君は……。

あの時の君の言葉が――声がなければ、俺の意識は妖狐の意識に支配され、消滅していただろう」





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