迷える小狐に愛の手を。
最終話





chapter:想い遙かに、忍ぶ恋





「だって、だってあれは……オレが幸に抱いてって言ってしまったから起こったことで!!」

「古都……君が言わなくても、俺はきっと君を抱いていたよ。目に涙を浮かべ、頬を赤く染めて懇願してきたら……。

あんなにかわいらしい古都を見せられたら、もう理性なんて保てない。正直、こうしている今もかなりマズい状況なんだが……。

古都、君は理解している? 君の隣にいるだけで、俺の身体と心は君を欲しているということを……」


……本当なんだ。

オレを好きって……本当に、本当なんだ……。

そう実感したら、幸のことをさっきよりもずっとずっと好きになる。


「ゆき……」

「うん?」

「すき……」

想いをそっと告げると、幸は目を閉じて微笑んだ。

「俺も好きだよ。君が愛おしい」


幸は、顔をオレの前に近づけてきた。


だから、きっとキスされるんだって思った。

オレも、そっと目を閉じる……。

それは唇に触れるだけの、優しいキス。

だけどそれが嬉しくて、幸の広い背中に腕をまわした。


「古都が俺を庇って神楽に刺された時、君を失うと思ったら、とてつもない苦しみが俺を襲った。

正直、神楽を殺してやろうかと思ったほどだ。だが、古都はそれを許さないだろう? だから必死に押し留めたよ。すべては君のために……」

言葉の合間に繰り返されるキス。

「……んっ」

あたたかな唇の感触が、オレの身体を熱くさせる。





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