迷える小狐に愛の手を。
最終話





chapter:想い遙かに、忍ぶ恋





オレは幸の頭部に腕を伸ばし、首元へと顔を擦り寄せた。

幸は、ほっぺたを擦り合わせるオレを見守ってくれる。


「幸、ゆき……好き……愛してる。幸がどんな姿でも……好き……って、うわわっ!」

言い終えるかどうかのところで、幸は突然オレを組み敷いてきた。

『こういう時に、『ソレ』を言うのは反則だぞ?』

幸の声が、頭に響いてくる。

「反則って……幸!?」

話している途中なのに、幸は言葉を止め、鋭い牙を、口からほんの少し出すと、オレが着ていたパジャマを器用に取り除く。


……プツン、プツン。

ボタンが解かれる音を聞いていると、あっという間にオレの両肩はむき出しになった。

幸はオレの肩口にある傷に巻いている包帯を引き千切ると、傷口を舐めはじめる。

「ん……っ……」

幸のざらついた大きな舌が這うたび、傷口が疼く。

唾液がオレの肩を濡らし、舌を擦りつけてくる。

『痛くはないか?』

目を細めて心配してくれる幸は、やっぱり優しい幸のままで……。


「痛くない。へぃき……」

これは痛いんじゃない。


なんだろう。

なんか、傷口がムズムズする。


『そうか……』

幸はひとつうなずくと、また舌を這わせていく。


「ん……ん……」


だめ。

さっきより、オレ自身が大きく張り詰めてきている……。

傷口を舐められているだけなのに、なんで、なんでこうなっちゃうの?





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