迷える小狐に愛の手を。
最終話





chapter:想い遙かに、忍ぶ恋





そう思っている間も、幸の長い舌は肩口から腹部へと移動する。

幸は大きな口でパジャマを脱がすと、あらわになったオレの身体。

幸がもたらすこの行為で、熱くなった身体は外の空気に触れた。

ひんやりして気持ちがいい。

だけど、その冷たい空気の感触はすぐに消え失せ、さっきよりも身体が熱くなった。

「ぁ……ぁ……ゆき……どうしよっ……きもちぃ……」

オレが感じていることを幸に伝えると、幸はオレの顔をマジマジと見つめ、目を細めてくる。


『君には本当に困らせられる。大きな目に涙をたくさん浮かべて、こんなにかわいらしく俺を誘うんだから……とはいえ、コレは痛いな……』


そう言った幸は、鼻先でオレの腹に巻かれている包帯を指した。

あ……。

「ごめんなさい……」

『なぜ謝る?』

「どうしてって……だって、幸は人間だったのに、オレと繋がったせいで妖狐になったんだ。それに、妖狐族の王になんかにさせちゃって……幸の人生台無しだ」

オレってつくづく自分勝手で最低な奴だ。

幸の人生を勝手に変えて、自分を好きにならないからって怒って……なんて勝手なんだろう。


『古都、そんなに悲しい顔をするな』

幸から逸らしてしまった顔をまた上げると、幸は眉根を寄せて、首を横に振っていた。

『古都、余計なことは考えるな。俺だけに集中しろ』

幸は、オレから顔をずらし、腹の傷に顔を近づけた。





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