迷える小狐に愛の手を。
エピローグ~狐の嫁入り





chapter:エピローグ~狐の嫁入り





今は、そのことを考えちゃいけない。


だって、考えれば身体中が熱くなって、幸から放たれる香りがオレを狂わせるから。


オレって、つくづく幸が好きなんだな。

苦笑してしまう。



んで、今、オレと幸は妖孤たちに囲まれて何をしているのかっていうと――今日は、オレと幸の結婚式なんだ。

男同士なのにって思うのに、幸は結婚しようって言い出した。


もちろん、妖狐たちは、王の提案に反発なんてしない。

彼らはふたつ返事で提案を飲んだ。

だって幸は、妖狐族の王だった父親を持つオレを伴侶にして、強力な力を得たんだ。

幸は今や、妖孤族の王なんだから。

その主に向かって反論する妖孤がいるはずもない。


「古都、おめでとう」

純白に身を包むオレを祝ってくれる紅(くれない)兄ちゃんは、優しく微笑んだ。


「あ〜あ、まさか色事を知らない古都が俺たち兄弟の一番最初の嫁入りなんてな……」

ぼやく朱(あや)兄ちゃんは、オレを祝福してくれているのか、してくれていないのか、よく分からない。

でも、ココに来てくれたっていうことは、きっと喜んでくれているんだろう。


「古都、おめでとう。これからは花嫁修業か」

――ううっ。

暁(あかつき)兄ちゃんはやっぱり現実的だ。

相変わらず厳しい。


でも……本当にそうだよな。

幸は妖狐になったけれど、今まで通り、人間の世界で暮らす。





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