chapter:エピローグ~狐の嫁入り すごく悲しい。 でも、幸はそう思う時が絶対来る。 なぜなら、オレが幸を、無理やり妖狐の道に引きずり込んだんだから……。 「古都? 俺にうんざりした?」 幸がオレに問う。 うんざりなんてしない。 するわけない。 だってオレは、いつだって、どこにいたって、幸のことばっかり考えている。 でも、幸は違うかもしれない。 今はオレのことを考えてくれている。 でも明日は? 明後日は? オレのこと、好きじゃなくなるかもしれない。 ずっと側にいて欲しいって思うのは、オレばかりになるかもしれない。 幸には、自由に生きてほしいんだ。 オレは首を振って、幸に話す。 「幸は……分かってない。人間の世界と妖狐の世界の『結婚』っていう意味が違う。人間の結婚は、さ、離れることができるだろ? でもな、妖狐の結婚は永遠を意味するんだ。幸を……『結婚』っていう言葉で、オレと無理やり繋げてしまうものなんだ」 「うん」 幸は、オレの説明を何とも思っていないのか、やっぱり、にっこり微笑んでいる。 いや、『うん』じゃなくってさ……。 幸はオレの言っている意味が分かってないのか? 「幸!!」 「古都、俺は古都と生涯を共にする決意はあるよ。古都は、それを望んでくれていないのかな?」 澄んだ星の瞳がオレを映す。 だけど、オレはあまりにも悲しい気持ちになっているから、綺麗な瞳を直視できない。 |