chapter:エピローグ~狐の嫁入り 顔ごと視線を逸らした。 「ちがう……。オレだって、幸と一緒にいたい!! 永遠を生きたい。でも、でも幸は……。 オレが幸を妖狐の世界に引きずり込んだんだ!! 幸にはきっと、オレよりも相応しい花嫁があらわれる」 オレなんかじゃなくって、もっと、もっと素敵な人が……。 「だから、ゆきっ!!」 幸から逸らした顔を、オレはまた幸に向ける。 ――結婚するのは止めよう。 そう、口にしようとしたら……。 幸は顔をうつむけて、両肩を上下に揺らしていた。 えっ? なにっ!? 今度はオレが幸の顔を覗き込むと……。 幸は口角を上げて、笑っていたんだ。 っんなっ!! オレは真剣に説明してるっていうのに、なんで幸は笑っているの? 「幸!! 人が真剣に話してる時に何、笑ってんだよ!!」 ひどい。ひどすぎる。 オレがこんなに苦しくて悲しい気持ちになっているっていうのに、笑うなんて!! オレ、泣いてるのにっ!! 「ゆき、笑うなよ!!」 オレはムカついて、両手を幸の頭の上へと振りかざした。 両手を振り下ろした瞬間、うつむいていた幸の顔は、突然真顔になってオレを見据えた。 真剣な眼差しに、不覚にもオレの胸がドキリと高鳴る。 幸の両手が、頭へと降りるオレの両手首を掴んだ。 それとほぼ同時。 オレの身体は幸の手に導かれ、腕の中へと閉じ込められてしまった。 |