迷える小狐に愛の手を。
エピローグ~狐の嫁入り





chapter:エピローグ~狐の嫁入り





顔ごと視線を逸らした。


「ちがう……。オレだって、幸と一緒にいたい!! 永遠を生きたい。でも、でも幸は……。

オレが幸を妖狐の世界に引きずり込んだんだ!! 幸にはきっと、オレよりも相応しい花嫁があらわれる」


オレなんかじゃなくって、もっと、もっと素敵な人が……。

「だから、ゆきっ!!」

幸から逸らした顔を、オレはまた幸に向ける。

――結婚するのは止めよう。

そう、口にしようとしたら……。

幸は顔をうつむけて、両肩を上下に揺らしていた。


えっ? なにっ!?


今度はオレが幸の顔を覗き込むと……。

幸は口角を上げて、笑っていたんだ。

っんなっ!!

オレは真剣に説明してるっていうのに、なんで幸は笑っているの?


「幸!! 人が真剣に話してる時に何、笑ってんだよ!!」

ひどい。ひどすぎる。

オレがこんなに苦しくて悲しい気持ちになっているっていうのに、笑うなんて!!

オレ、泣いてるのにっ!!

「ゆき、笑うなよ!!」

オレはムカついて、両手を幸の頭の上へと振りかざした。

両手を振り下ろした瞬間、うつむいていた幸の顔は、突然真顔になってオレを見据えた。


真剣な眼差しに、不覚にもオレの胸がドキリと高鳴る。

幸の両手が、頭へと降りるオレの両手首を掴んだ。

それとほぼ同時。

オレの身体は幸の手に導かれ、腕の中へと閉じ込められてしまった。





- 259 -

拍手

[*前] | [次#]
ページ:

しおりを挟む | しおり一覧
表紙へ

contents

lotus bloom