chapter:エピローグ~狐の嫁入り 「今はこの儀式をなんとかしないといけないからね」 そうして幸は、オレを抱えたまま、さっきの唸るような声とはまるきり違う、明るい声を出し、歓声を上げる群れの中へと戻った。 これからも汝と共に……。 「愛しているよ、古都」 「ん……」 妖狐族の掟(おきて)に約束して、オレと幸は口づけを交わす。 与えられる唇にうっとりとしていると、群れから外れた遠くから視線を感じた。 オレは、ボーッとした頭で、その視線の先を見た。 すると、オレとそれの視線が重なる。 そこには、綺麗な銀色の長い髪の、鋭い金の瞳をした、すらりとした長身の男。 その男は……。 「神楽(かぐら)だね」 「……うん」 幸も群れの外れたところからの視線に気が付いたみたい。 幸の言葉にうなずくと、突風が吹いた。 地面に覆いかぶさっている真っ白い雪が、風に乗って舞い散る。 突然吹いた風に飛ばされまいと、オレは幸の首にしがみつき、目を開ける。 さっき、神楽がいたその場所には、何もなかった。 神楽にはひどいことをされたけれど、オレにとってはやっぱり神楽は大切な友達なんだ。 「神楽……」 「また会えるさ」 オレの胸の内を察してくれた幸は優しく告げてくれた。 ――広い空の下。 繋がっているのは幸だけじゃない。 神楽も、兄ちゃんたちも……みんな一緒だ。 「神楽……」 「また会えるさ」 オレの胸の内を察してくれた幸は優しく告げてくれた。 ――広い空の下。 繋がっているのは幸だけじゃない。 神楽も、兄ちゃんたちも……みんな一緒だ。 見上げれば、目を細めて微笑む、大好きな人がいる。 オレは幸の胸にもたれ、愛おしいほどのあたたかさを感じた。 幸が、オレの生涯の伴侶なんだと実感して……。 ☆゜END ゜☆ |