chapter:癒えない傷 さっきから謝ってばかりいる幸がおかしくて、ついつい笑ってしまいそうになる。 そうしている間にも、幸はオレの足に巻いていた包帯を慣れた手つきで取っていく。 ほどなくして、真っ赤に染まったオレの足が見えた。 すごく出血してる……。 足の傷は、幸の言うとおり、おもいきりひらいてるし、中の身が見えていた。 ……道理で痛いはずだ。 自分のことなのに、他人事のように感心しているオレ。 それはきっと、介抱してくれる幸がいるからだ。 ……って、オレは幸のことを全部信用したわけじゃないからな!! なんて思っていると……。 ズッキーン!! いってぇぇぇぇぇええええ!! 幸は水気が混じった布を真っ赤に染まった足に押し付けてきた。 何するんだ!! やっぱコイツ、オレの敵だ。 くっそ、とうとう本性をあらわしやがったなっ!! オレは飛び起きて、危害を加えてくる幸の手を振りほどこうと、身を捩る。 身体が幸の手から外れると、向き合った。 「フーーーーッ!!」 口の両端にある鋭い牙を見せて威嚇するオレ。 「ごめん、痛かったね。だが、こうしないと君の足は治らないんだよ……」 嘘だ。 幸はそう言ってオレを殺す気なんだ!! 信用なんてするか!! オレは前かがみになって、いつでも攻撃できる態勢をつくる。 「古都、頼むから。そんなに暴れないで……。もっと傷口がひらいてしまう」 威嚇するオレに手を伸ばす幸。 |