迷える小狐に愛の手を。
第二話





chapter:癒えない傷





ふいに、オレの身体があたたかいものに包まれた。



「大丈夫。ここは君に危害を加えるものはないから……」

その声は、悲しみを抱くオレの胸にスッと通る。



「大丈夫だよ」


何度も、何度も、そう言って、オレを宥(なだ)める。


幸は残酷な人間なのに……。

コイツはいくらオレが攻撃を仕掛けても暴力を振るわない。

それどころか、オレを優しく包み込んでくれる。



幸……。



父さんと母さん、死んじゃった。


オレ……本当はひとりなんてイヤだよ。

怖いよ。


オレは優しい幸の腕に、ほっぺたをすり寄せた。

幸は、傷の手当てを中断させて、オレの頭を、ずっと撫でてくれていた。





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