chapter:ひとりと一匹の奇妙な関係 ここに来てから、そればっかりだ。 まあ、今のオレは狐だし? 人間の幸に比べたら小さいし? だけど、人型になったら、かわいいなんて言わせねぇからな!! 今に見てろよ!! 決意をたぎらせ、人型になったオレを見た時の驚く幸の姿を想像すると結構面白い。 「はい、できた。さ、朝ごはんにしようか」 オレの傷ついた足を、真っ白な包帯で覆った幸の言葉に飛び上がり、地面を歩こうとするけれど……。 ヒョイッ。 オレの身体が宙に浮いた。 幸に抱え上げられたんだ。 あ、いや。 あの幸さん? オレ、少しだけなら歩けますけど? なんて思ってチラリと幸の顔を見上げると、にっこりと微笑まれてしまった。 幸はどうやらリビングまで運んでくれるらしい。 まあ、たしかに歩くと痛いけどさ……。 でも、だからといって、いつまでも他人に頼るのは、自分が何もできないみたいでイヤだ。 ――――なんだけど……。 こんなのも悪くないって思ってるのもたしかなんだよな……。 仕方がないから、今だけは大人しく言うことを聞いてやるよ。 目を細めて幸の胸に寄り掛かる。 心地いい鼓動が、幸の胸を通って聴こえてきた。 トクン。 トクン。 その音はまるで、母さんの胸に抱かれてるよう。 あったかい。 まるで、ひだまりの中で寝転んでいるような感覚だ。 目を閉じれば、思わず眠ってしまいそうになる。 |