迷える小狐に愛の手を。
第三話





chapter:ひとりと一匹の奇妙な関係





人型になったオレよりも頭ひとつ分小さいから、たぶん背は155センチくらいかな?


黒髪は両サイドに束ねられている。

真っ白い服は清潔感があって、まさに病院の受付係ぴったりだ。

くりっとした大きな目に対照的な小さい顔と桃色の唇は、とてもかわいいと思う。


それに、彼女は愛想が良い。



そんな彼女を瞳に入れると、幸はにっこりと微笑んだ。

心なしか、彼女の頬がさっきよりも赤くなったような気がする……。

……なんだろう。

はじめて会った時は別に何も思わなかったのに、最近のオレは少しヘンなんだ。


幸が彼女に、にっこりと笑い返すと、オレは少しイラってする。

大好きなサケを目の前にしても、モヤモヤするし……。

意味分かんない。

だけど、いつまでも彼女と幸に構ってはいられない。

なんたって、目の前には、サケという、豪華なご馳走があるのだから。


オレは少しゆっくり噛んでいたサケをふたたび目に入れると、口を大きく開けて、勢いよく食べはじめる。


「あっ、元気になったんですね、古都ちゃん」

彼女は地面に膝をついて嬉しそうにオレを見つめてきた。


……食べにくいったらありゃしねぇ。

他人に見られながら食うとか、そんな器用なマネ、オレにはできない。


だけど、その優しい眼差しを邪険にすることができないのは、幸が仕事をしている間、彼女がオレの看病をしてくれたからだ。



まあ、感謝はしてる。





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