chapter:ひとりと一匹の奇妙な関係 本当は死ぬかもしれなかったオレを、ここまで回復させてくれたし、こうしてまた、大好きなサケを食べられるんだから。 「加奈子ちゃん、どうしたの? 今日はたしか、一限から学校があると聞いたけれど?」 「あ、はい。一限目、休講になったので来ました。あとの授業は三限からなので、お手伝いに……」 「いいのに、そこまでしなくても」 「あ、アルバイト代はいらないので大丈夫です。わたしが、ここに来たかっただけですし、鏡さんのお手伝いを……動物さんたちのお手伝いをするのが好きなだけですから」 微笑む幸に、彼女は顔の前でパタパタと両手を振った。 ふ〜ん、『幸のお手伝い』ねぇ。 せっかく気を取り直して、サケを頬張っているというのに、彼女の言葉にひっかかりを覚えた。 ……って、だから、オレ、さっきからいったい何なんだよ。 なんでオレ、彼女のことが、こんなに気になるんだろう。 そう思っても、この気持ちは今までに経験したことがないものだったから、何も分からない。 「……フフ。ありがとう、加奈子ちゃんのような一生懸命働いてくれる娘が居てくれて、とても助かるよ」 彼女に礼を言うと、幸は椅子から腰を上げた。 サケが入っていた容器を見下ろせば、サケはもう、骨だけになっていた。 オレも幸につられて、ムクリと起き上がる。 「うん、もうすぐ時間だね。じゃあ、お言葉に甘えてお願いしようかな」 「はいっ!!」 彼女は嬉しそうに返事をして、幸と笑い合った。 |