chapter:恋ってなに? ――いや、ちょっと待て。 オレは男の中の男なんだろう? だったらなんでオレが、お前の彼女になるんだよ? だいたい、そう言うお前もオレと同じ雄だろうがっ!! ツッコミどころ満載なドーベルマンに、やっぱりオレは呆れ果てて、何も言えない。 開いた口が塞がらないとはまさにこのことだ。 オレはそのまま、だんまりを続けていると、ドーベルマンは何を思ったのか、オレが入っていたカゴの中に、突然首を突っ込んできた。 なんだよ!! 狭いだろうが!! ……なんて思っていると、奴はあろうことか、オレの尻に鼻を当ててきやがった。 オレは慌ててソコから飛びのく。 コイツ、なんだよ。 ものすごく、気持ち悪いっ!! 『なぁ、好きなんだよ』 ドーベルマンは、カゴの後ろにいるオレに熱っぽい視線を向けた。 幸、加奈子、助けて!! 助けを求めて、ちらりと受付カウンターの中を見れば……。 「ちょっと……いい加減にしてください」 どこか困っているような、幸の声が聞こえた。 なんだ? オレは『ひょい』っとドーベルマンに背中を向け、薬剤がたくさん置いてある室内へと椅子を伝って中に入った。 カリカリと診察室の扉に爪を立て、開ける。 机と椅子が見えるその先に、幸が……ひとりの女性に言い寄られていた。 その光景は、さっきのオレとドーベルマンそっくりだ。 |