迷える小狐に愛の手を。
第五話





chapter:恋ってなに?




胸の谷間と太腿を強調させる露出度の高い赤いワンピースを着た女性は、幸の腕を絡め取っていた。


ムカッ!!

何してんだよっ!!



幸と女性の姿を見た瞬間、オレはなぜかムカついた。



なんだかよく分かんねぇけど、なんか、すんげぇ腹立つ。


「いい加減にしてください!!」

幸は、巻きつく女性の腕を振り払おうと、腕を動かす。

だけど、傍から見ていると、幸の行動は全然イヤがってるようには見えない。


だからだろう。

女性は、自分のふっくらとした胸を幸の身体に押しつけた。


「あの、わたし貴方のことが好きなんです。……ほら、貴方の側に居るだけで、こんなに胸がドキドキしている……」


次の瞬間、オレは自分の目を疑った。

だって、その女。

幸の右腕を取ると、胸へと促して服の下に潜り込ませたんだ。


女の行動が、少しずつ大胆になっていく。


女の、あまりにも身勝手な行動に呆気にとられていると、後ろから、ゴクンと唾を飲む音が聞こえてきた。

振り返ると、受付係の加奈子が、両手で口元を押さえていた。


普段も大きい目が、今はいつもよりずっと大きくひらいている。

それに、細い身体が小刻みに震えていた。


とてもショックな場面に出くわしたような、そんな感じだ。


「ね? すごくドキドキしているでしょう?」

女は、オレと加奈子が見ているのにも関わらず、自分の胸を直に触らせる幸の手を離さない。





- 46 -

拍手

[*前] | [次#]
ページ:

しおりを挟む | しおり一覧
表紙へ

contents

lotus bloom