chapter:恋ってなに? それどころか、幸の手を、上から支えるようにして揉んでいく……。 「いい加減に!!」 幸が拒絶の言葉を発すると同時だった。 見ていられなくなったオレは、幸に言い寄る女と幸の間に割り込んだ。 ダッシュして、すぐに幸の膝の上に乗るオレの存在は、幸の手を掴んでいた女を見事、引き剥がすことに成功した。 「ギギギィッ!!」 「ちょっと何? こいつ!!」 牙を向けて威嚇(いかく)するオレに、怯えを隠せない女は後ずさりする。 「古都(こと)……」 いくら命の恩人だって、今だけは、その名前を呼ばれたはくない。 オレは、オレを呼ぶ幸を無視して、両端にある鋭い牙を女に見せつけ、威嚇し続ける。 女は、「ひぃっ」と声を上げ、その場から立ち去って行った。 「古都……?」 後ろから声が聞こえたかと思うと、手を差し伸べてくるような気配があった。 今は、幸に触られたくない。 |