迷える小狐に愛の手を。
第六話





chapter:蘇る苦痛と恐怖





そう言って、奴はオレの胸の上にある、ふたつの突起を舐めはじめた。



ゾクッ。

身体が震えるのは、神楽(かぐら)との一件を思い出したからだ。




――幼馴染みで、いつもオレとツルんでいた神楽。

――父さんと母さんを殺した神楽。

――オレの気持ちを無視して繋がろうとした神楽。


こんなの…………嫌だ。

身体を必死に動かして抵抗を試みるものの、上にかぶさっているドーベルマンはオレの身体よりもふた回りも大きくて、力も強くて、びくともしない。



まるで、あの真っ白な雪が降り積もる、神楽に抱かれそうになった、あの時のように――……。



そうやって記憶を蘇らせていくオレの身体を、ドーベルマンの舌が蹂躙(じゅうりん)する……。

舌はやがてオレのすべてを味わった後に尻の裏側へと回った。

オレの穴へと舌が入り込んだ。

『すげ、なんか興奮してきた。早くココに俺のを挿れてぇ』


そう言うと、同時に穴の近辺を弄(まさぐ)っていた舌が中へと勢いよく入って来た。

神楽の……あの指と同じようにオレの中を圧迫させてくる。



気持ち悪い。

いやだ。

怖い。



『いやだああああ!! 幸、幸、助けてっ!!』



オレは精一杯幸の名を呼んだ。

それなのに、返事はどこからも返ってこない。


あるのは、オレの穴に挿し込んだドーベルマンの舌が動くたびに聞こえる、ぐちゅぐちゅという水音だけだ。





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