chapter:蘇る苦痛と恐怖 そう言って、奴はオレの胸の上にある、ふたつの突起を舐めはじめた。 ゾクッ。 身体が震えるのは、神楽(かぐら)との一件を思い出したからだ。 ――幼馴染みで、いつもオレとツルんでいた神楽。 ――父さんと母さんを殺した神楽。 ――オレの気持ちを無視して繋がろうとした神楽。 こんなの…………嫌だ。 身体を必死に動かして抵抗を試みるものの、上にかぶさっているドーベルマンはオレの身体よりもふた回りも大きくて、力も強くて、びくともしない。 まるで、あの真っ白な雪が降り積もる、神楽に抱かれそうになった、あの時のように――……。 そうやって記憶を蘇らせていくオレの身体を、ドーベルマンの舌が蹂躙(じゅうりん)する……。 舌はやがてオレのすべてを味わった後に尻の裏側へと回った。 オレの穴へと舌が入り込んだ。 『すげ、なんか興奮してきた。早くココに俺のを挿れてぇ』 そう言うと、同時に穴の近辺を弄(まさぐ)っていた舌が中へと勢いよく入って来た。 神楽の……あの指と同じようにオレの中を圧迫させてくる。 気持ち悪い。 いやだ。 怖い。 『いやだああああ!! 幸、幸、助けてっ!!』 オレは精一杯幸の名を呼んだ。 それなのに、返事はどこからも返ってこない。 あるのは、オレの穴に挿し込んだドーベルマンの舌が動くたびに聞こえる、ぐちゅぐちゅという水音だけだ。 |