chapter:漆黒の刃が獲物を狙う時を待つ―side:神楽 俺よりも華奢(きゃしゃ)で小柄な身体を自分の前に跪かせ、俺の欲望を突き立てたくなる。 そして、古都の身体を俺に染まらせたくなる。 古都の妖狐族としての力も奪い、俺の物にして父さんと母さんを殺した人間に復讐する。 もちろん俺の隣には花嫁の古都を置き――。 人間には、俺たち妖狐族の奴隷になって従ってもらう。 俺が幼い頃味わった生きた地獄というものを味わえばいい。 その為にはどんな犠牲も仕方がないことだ。 たとえ、大切な古都の家族を殺したとしても……。 俺が古都を蹂躙し、妻になった暁には、彼も俺のしたことが間違いではなかったと理解してくれるだろう。 ただ心残りなのは、あの時無理やりにでも古都を抱いていれば、こんな気苦労はなかったということだけだ。 古都の両親には色々世話になったからな。 目の前で古都の身体を奪う、幸せそうな我が子の姿を見せてやれなかったのは悔いが残る。 まあ、それは過ぎたことだ。仕方がないことだと諦めよう。 ――にしても、俺から逃げようとする古都もまだ詰めが甘いな。 俺から逃げられるハズがないだろう? 覚悟しておくがいい。 次に逢ったその時、お前に男と言うものを教え込ませてやる。 俺は、俺の色香に惑わされ、放心状態になっている撮影所の無能な人間たちから背を向け、あてがわれた楽屋に向かった。 |