chapter:運命の出会い。はじめてのお買い物 そう言う幸の服装は、胸元が開いている白のシャツにカーゴパンツっていうズボンを着ている。 店員さんに、素敵ですねって言われてた。 くっそ!! オレは、『かわい』くって、幸は、『素敵』かよ! なんだよそれ!! かなりムカつくぜ!! あまりにもムカついて、幸に向けてキッと睨(にら)めば、ニッコリと微笑み返される。 その微笑みの威力は絶大で、何も言えなくなるばかりか、幸と同じように笑ってしまうんだ。 ……幸にはかなわない。 なんて心の中でぼやきながら、会計を済ませる幸の背中を見ていた。 「ね、あの人、カッコいいね」 「ほんと、背高いし、優しそう!!」 オレの背後から、そんな女性たちの声が聞こえてくる。 振り返ると、そこにはおそろいの紺色の服を着た女性がとろけるような視線で幸を見ていた。 ……ズキッ。 突然、なんだかよくわかんないけどオレの胸が痛み出した。 そんな感覚に戸惑いながら、知らない間に幸と距離を縮めると、袖をそっと掴んだ。 「古都、どうしたの? 喉でも渇いた?」 幸は、首を傾げてオレの顔を覗き込む。 ……トクン。 今度は、オレの心臓が大きく鳴った。 なに? なになになに? トクン、とか、ズキッとか、心臓が言ってるけど、オレ、病気? ――なんて思っても、動物病院の先生である幸には言えない。 何て言えばいいのか分かんないし、それに……。 これは、幸に言うことじゃない気がする……。 ……よく、分からないけどな。 |