迷える小狐に愛の手を。
第九話





chapter:運命の出会い。はじめてのお買い物





「うわ……」


思わず声を上げてしまったのは、薄暗いところから、突然、明るい場所に出たからだ。

見上げれば、大きな太陽が、下にいるオレたちを照らしている。


ココ、屋根がないんだ。



ココには、所狭しと真っ白くて丸いテーブルと椅子が並び、大人や、子供たちが座っていた。

「ここで待っていて? すぐに持ってくるから」


幸は近場にあるテーブルを見つけると、カバンから財布だけ取り出し、椅子に置いて、何人も並んでいる店へと向かった。


「ねぇ、カノジョ。君、かわいいね。どう? 俺らと一緒に遊ばない?」


突然やって来た茶色い髪を逆立てた男は、年齢は幸より少し下かそこいらだろう。

年下のクセに敬語もないなんて、教育がなってないぞ。

ちょっぴりイラってくるのは、なんたってオレは妖狐で、見た目はこんなだけど、実は幸と同じくらい長生きしてるからだ。


オレがイラってしているのもおかまいなしに、あろうことか、奴は目の前に座った。

おいっ、空気読めよっ!!

本来そこは幸が座る場所だ。

……ってか、なんだよ、『彼女』って。

「誰が彼女だよ!!」


言われた言葉にイラついて睨むけど、目の前のソイツはぜんぜん怖がらない。

それどころか、口元をにんまりと弧の字に曲げた。


「かっわいい。怒った顔もそそられる」

後ろにも居た黒髪の男がオレの腕を取った。





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