chapter:運命の出会い。はじめてのお買い物 まるで、オレたち妖狐族が住む雪山のような……。 そんな滑らかな表面だった。 それを見ると、懐かしくて、胸があたたかくなる。 人間の世界も面白いけど、やっぱり故郷の山の方が好きなんだと、今さらながらに思い知らされる。 今は神楽がいるから、帰れないけどな……。 なんてシンミリしちゃったオレは、穏やかに向けてくる幸の視線にハッとした。 慌てて幸を見ると、にっこり笑って食べることを無言で促(うなが)してくる。 ひとつ喉を鳴らすと、棒切れで、『あいすくりーむ』を掬って口元へと運んだ。 匂いを嗅いでみたけど、何も匂わない。 今まで見たこともない物体だ。 味はどんなのだろう? オレは未知なる物体と向き合うため、目を閉ざし、口を開けた。 「むぐ……」 冷てっ!! 口の中に広がったのは、やっぱり初め手に取った時の感覚と同じだった。 だけど……あれ? これって……? 口の中に徐々に広がってくる甘い味に、オレは閉じた口を動かした。 甘い!! 冷たいし!! 「なんだこれ!?」 面白れぇっ! 目を開けると、うなずく幸の顔があった。 美味(うま)いっ!! 「これ、すっげぇ美味い!!」 美味しさに気が付けば、オレの手と口は、もう止まらない。 『あいすくりーむ』を棒切れに乗せると、次から次へと口の中に放り込んだ。 なんだコレ! 「幸、これ美味いな!!」 |