迷える小狐に愛の手を。
第十話





chapter:発情期ってなんですか?







「ん…………」


その日の夜、オレは寝苦しさを覚え、ふと、目を覚ました。

壁に掛かっている時計の針は三時ちょうどを指している。

暗闇でもよく見える目は、妖狐族独特というか、動物特有のものだ。
おかげで電気を点けずにすむ。

隣で寝ている幸(ゆき)を起こすことなく、周りを見られるから……。


妖狐から人型になったオレは、やっぱり幸とはひとつのベッドを共同で使っている。

人型になったオレは、さすがに幸と一緒のベッドだと狭いから別々で寝ようと提案したんだ。
だけど幸はベッドの他に布団はないからと、オレの提案を却下した。


そういうわけで、オレは今、眠っている幸の隣にいる。


妖狐族は視覚がいいばかりじゃなくて、嗅覚も優れている。

敵に遭遇した時はこれで対処するんだ。


……なんて考えている今も、オレはモソモソと布団を動かしている。

この状態はなんていうか……。


身体がムズムズするっていうか……。

それに、オレの身体、少し熱いかも……。


それは幸が隣で寝ているからとか、そんなことじゃないような気がする。

もっと古典的な何かなんだ。


だけど、ソレが何かがわからない。




……どうしよう。

寝苦しいのを意識すると、身体は余計におかしくなるような気がする。



なんていうか……。

みぞおちが……苦しいっていうか……。


「ん……古都(こと)?」





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