chapter:発情期ってなんですか? いつまでもモソモソと布団の中で身体を動かしていたから、幸を起こしてしまった。 結局、どうやっても起こすハメになってしまうんだよな。 「ごめん。起こした?」 幸が怒っていないかを見るため、視線を上げる。 幸は、心配そうにオレの顔色を窺(うかが)っているだけだった。 ……よかった、怒ってない。 オレが幸なら、起こすなって怒鳴っていたところだ。 幸って、とことん人間ができてるっていうか、おおらかなんだな。 そんなことを考えていても、身体のムズムズ感は治まらない。 ――というか、これ。 さっきよりも酷くなってないか? 「古都? 足が痛む?」 幸がそう言ったのはたぶん、昨日買い物で長時間歩いたから、傷が悪化したんじゃないかと考えたんだろう。 眉根に皺を寄せて心配そうにオレを見つめてきた。 足はそこまで痛くない。 ただ、身体がおかしいだけ……。 「ちがう……。からだ……オレ……」 今、どういう状況なのかを幸に話そうとしたら、みぞおちがひどく疼いた。 「ん…………っふぅ……」 その途端、オレの口から女が甘える時に使うような声が出てしまう。 やだ。 なんて声出してんだよオレ!! ……なんて思っても、鼻にかかった甘い声は疼きを抑えようとすると出てしまうわけで……。 「古都?」 「や……なんでもな……んっ」 オレの名前を呼ぶ幸に、オレは首を振って前かがみでうずくまった。 そういうふうにしたら、この疼きがなんとか治まるんじゃないかって思ったんだ。 |