迷える小狐に愛の手を。
第十一話





chapter:幸なんて、もう知らねぇっ!





だったら、自分のことだし、自分の世話くらい自分でしないと……。

それに今日も、深夜みたいなことになるとは限らないよな。

そうだよ、きっと今日はいつもと同じだよ。

だってオレ、今はムズムズしないし、何ともないもんな。





今日、幸は、『日曜日』で仕事が休みだ。

家にふたりだけとか、このままだとすごく気まずい。

なんとかしないといけない。

大丈夫だよな。

幸だってきっと話せば分かってくれる。

何を言えばいいのかわかんないけど……でも、優しい幸だもんな。


うん、きっと大丈夫だ。


……パタン。

そうこう考えている間に、幸は部屋から出て行った。

オレは誰もいなくなった部屋の中で、ウンウンと、何度もうなずき、自分自身に大丈夫だと言い聞かせ、出て行った幸の後を追った。




…………。

……なんだけど、さ。

……なんで?

意味分かんねぇ。

今日、あれから幸と前みたいに仲良くしようと声をかけた。

そうしたら、仕事でやることがあるからって、一階の事務室で、病気の症状が書いてある、『カルテ』とかいうヤツとにらめっこしてるんだ。

幸には、ほんとに嫌われたんじゃないかって思うくらいの避けられよう。

――とはいえ、飯の用意はしてくれてるし、両足の傷の消毒にも来てくれる。


すべて放置っていうわけじゃないんだけどさ……。

でも、前みたいに、『一緒』の時間が、今日はない。


……なんだよ。





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