chapter:*発火*―hakka― ただ、俺の性格を知っている両親だけは味方でいてくれた。 そんな状況でその学校に通学しても俺が居づらいだけだと判断し、そうして前住んでいた家から車で約1時間のこの土地で新しい生活を余儀なくされた。 引越し先が田舎ということもあってか、うわべだけの噂はあっという間に学校中に広まった。 わざわざこの忙しい季節に転校してくる奴なんて滅多にいない。 だから噂が本当だと信じる奴は多いだろう。 そんなこんなで、転校したての俺はやっぱり前居た学校生活と、状況はなんら違いはない。 ――人間なんて信用できねぇ。 どこにいたってそれは同じ。 だから誰に何を言われようと別にいい。 そう思っていた。 少なくとも、転校先でソイツに会うまでは……。 「俺、炎 愛峰(ホムラ アマネ)。よろしくな、天道 白夜(テンドウ ビャクヤ)」 俺と同じ日本人特有の黒髪に、健康的な肌色をしたソイツ。 だが、笑うと右の頬にえくぼができる、人懐っこいソイツは、根っからの行動派。 常にクラスの中心にいて、イベントごとが大好きで、メンドくさい委員長なんかも進んでしている。 俺よりも少し背が高い、すらっとした体型のソイツ。 俺とは正反対の性格をしたソイツが、満面の笑みを向けて、そう言った。 「白夜、白夜!!」 俺の名前を気安く呼ぶソイツは毎回、付きまとってくる。 |