chapter:それでも大好きなあの人。 「滑ってきたよ? 感じてるんだね」 男の人が言わなくても、鈴口からは、先走りがじんわりとあふれ出しているのが自分でも良く分かる。 「っつ、っひ……いやぁ……」 身体に力が入らない。 先端から根本へと、行き来する手が邪魔だ。 ぼく自身を擦る手は、絶妙な力の入れ具合で、ぼくがイかないように強弱をつけて弄ってくる。 その度に水音が生まれ、次第に大きくなっていく。 「っひ、あっ、ああっ……」 「いいね、その声。すごくソソられる」 ねっとりとした息が、耳孔に触れて気持ちが悪い。 それなのに、ぼくの身体は熱を帯び、男の人に翻弄されて快楽を感じている。 「ああ、もう限界。今この場所で挿れちゃおっかな」 ぼくのお尻に、硬いものが擦りつけられた。 これはきっと、男の人の……。 「っぅ……」 いやだ。 こんなの、イヤだよ……。 こんな時に頭に浮かぶのは、やっぱり三浦先輩だ。 ぼくは馬鹿だ。 先輩が助けに来てくれるわけがないのに……。 現実を理解すれば、ぽろぽろと涙が零れた。 これは、きっと罰だ。 先輩が嫌がることをした、ぼくへの罰。 だから、こうなっても仕方がないことなんだ。 「っひ、っく……」 もう、何もかもが悲しくて、静かに嗚咽を漏らす。 |