chapter:追って追われて恋模様。 「翔夢くんが欲しくて我慢ならないんだ」 先輩はぼくを閉じ込めると、耳元で告げた。 「ひゃっ!」 低音が耳孔に直接入ってきて、くすぐったい。 だけどそれだけじゃなくって、みぞおちに力が入る。 先輩に、触れてもらえるのかもしれないと、期待してしまう。 「初めは、電車の中で、本当は翔夢くんに悪戯をするつもりはなかったんだ。だけど、君を見ていると、欲しくてたまらなくなって、気がついたら手が勝手に君を求めていた。 ココも、本当は俺が先に触るはずだったのに、横から入ってきた奴に触れられるなんて……」 シャツの裾がめくられ、あらわになる胸。 そこには、さっき、見知らぬ男の人に触れられてツンと尖っている乳首が、自らを強調していた。 「っ、せんぱい……」 あんな男の人じゃなくて、先輩に触れてほしい。 胸が苦しくて、視界が滲んでしまう。 先輩を見つめると、両方の乳首をキュッて摘まれた。 「あっ!」 ただ、少し摘まれただけなのに、全身が痺れたように動けない。 少しずつ元に戻りはじめたぼく自身は、ズボンの下で、ふたたび張り詰めていた。 「ココ、俺のものでしょう?」 きゅううっ。 今度は、摘んでいた乳首をもう少し強く引っ張った。 「っ、ん」 乳首が引っ張られ、甘い疼きがじんわりと身体中に広がっていく……。 「……可愛い」 ひと言、先輩は誰に言うでもなく、つぶやいた。 |