追って追われて恋模様。
第二話





chapter:ストーキング、できなくなっちゃった。





今さらだけど、先輩の感情を知って、愕然(がくぜん)としてしまう。


「ごめんなさいっ!!」


謝ったその時、ちょうどドアが開いたから、人混みに紛れて先輩から逃げた。



……知られた。

先輩に気持ち悪いって思われた。



「っふ、えっ」

もう、大好きな先輩の追っかけもできない。

もう……先輩の顔すらも、見られないんだ。


先輩はぼくを軽蔑してるし、気味が悪いと思われてる。


「っふ、あああああんっ!!」


公衆トイレに入り込み、ぼくは……涙が治まるまで泣いた。



その日。


やっぱり学校に遅刻したぼくは、二限目に登校した。



そして、必需品だった携帯望遠鏡を、


捨てた――。





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