chapter:それでも大好きなあの人。 今日は、看護師をしているお母さんは夜勤で、家に居ない。 それも相まって、こうして人通りが少ない道を歩いていると、恐怖心が芽生えてくる。 街灯がカチカチと音を鳴らし、短い点滅を繰り返して夜道を照らしている。 その街灯はまるで、芽生え始めた恐怖心を煽ってくるみたいに……。 「ね、君。可愛いよね」 突然声をかけられ、ハッとして振り向けば、すぐそこには見知らぬ男の人がいた。 薄暗い街灯だから、顔立ちとか髪の毛の色までは分からない。 だけど、背は、ぼくの頭ひとつ分以上はある。 肩幅もがっしりしてるし、きっと大学生だ。 なんとなく怖くなって逃げようとすれば、すぐに腕を掴まれた。 「いやっ! はなしてっ!!」 「逃げないでよ。よくココを通るでしょ? ずっと見てたんだ」 「……っつ!」 背後から腕を回され、シャツの裾から手が侵入してきた。 冷たい手が、ぼくのお腹や腕を撫で回す。 虫が這うような感覚がして、とても気持ち悪い。 「いや、はな、して……」 身体に回された腕から逃れるため、手を引っ張っても外れない。 力いっぱい身体を捩(よじ)っているのに、男の人はびくともしない。 それよりも、ぼくが拒絶すればするほど、男の人の行動はより大胆になってきた。 「ココ、やっぱり女の子と違って小さいね」 男の人の指が、ぼくの乳首を撫でた。 |