ねぇ、ギュッてしてよ。
いきなり嫌われちゃうの?side:雨宮 鈴





chapter:いきなり嫌われちゃうの?side:雨宮 鈴





「霧我、あの……」


そんな顔をしないでと、言おうとした時だった。




「出てって」


「え?」


「出て行け!!」



「っつ!!」


それは、はじめて言われた拒絶の言葉。




だから、ああ、ぼくはもう嫌われたんだって思った。




「ぅ……ごめんなさい、ぼく……でも、あの……」

「いいから出て行け!!」




謝るぼくの言葉を遮って、今度こそ強く拒絶されたぼく。



「っふ、ふぇ……」


霧我はもう、ぼくの顔を映してはいなかった。


うつむいて頭を抱えて……苦しそうにしている。


そうさせたのは、他でもない、ぼくだ。




ぼくは頭を抱えてしゃがみこむ霧我から背中を向けて走った。



これ以上、霧我に嫌われないようにって思って……。





...刀B・。刀B・。...

Side:Suzu...END


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