chapter:どうしてこうなってしまったのだろう。side:有栖川 霧我 また首を左右に振る紅葉。 余計なお世話だ。 紅葉のしてやった顔が眠りつつあった俺の怒りを刺激した。 「こっちは鈴と二人きりにならないよう工面していたんだ!!」 ここが5階でよかった。 この生徒会室の他に教室がない分、大声で心おきなく、人気がある紅葉をののしることができる。 「鈴と二人きりになどなりたくなかった!!」 そうすれば、これまでどおり、鈴と生徒会で共に過ごすことができる。 鈴に嫌われなくて済む。 それなのに、昨日は大失態をやらかしてしまった。 大切にしたい鈴を……奪おうとするなんて。 「もう……」 ――俺のことは放っておいてくれ―― そう告げようとした瞬間だった。 今まで黙って俺の怒りを聞いていた紅葉は突然右手のひらを突き出した。 いわゆる、『待て』のポーズだ。 をい、俺は犬じゃないぞ。 抗議をしようと口をひらいた時――。 パタパタと足音が……駆け足で遠ざかっていくのを聞いた。 それは、冷たい廊下に響き渡った。 ここは一般生徒は立ち入り禁止だ。 滅多なことでは生徒会の人間以外は立ち寄ることもない。 と、いうことは、さっきの足音。 アレは――……。 「聞かれたな」 「……っつ!!」 静かになった室内で、紅葉の言葉が残酷に響き渡っていた。 ...刀B・。刀B・。... Side:Muga...END |