ねぇ、ギュッてしてよ。
お願いだから側にいさせてください。side:雨宮 鈴





chapter:お願いだから側にいさせてください。side:雨宮 鈴





きっと、霧我は優しいから、ぼくの告白に同意しただけなんだ……。


本当は、両思いじゃなくって、ぼくだけの片想いで……。


だから……ぼくと霧我は同じ気持ちじゃなかったんだ……。



昨日のキスも、きっとぼくが悲しそうにしているから、手を差し伸べる気持ちでしたんだよね……。




「ふぇええっ」



霧我。

霧我。



霧我……。



もう、そばにもいさせてくれないのかなぁ。





「ふぇぇぇええええええっ」





その日、ぼくは授業がはじまるチャイムが鳴るまで、ずっと屋上でうずくまって泣いた。



好きな人と一緒のクラスで嬉しかった。


好きな人の席の前が嬉しかった。


でも、今は苦痛でしかない。



嫌われているって感じたら、もうそこは天国から地獄に真っ逆さま。



好きな人の息遣いを聞くたび、声を聞くたび、ぼくの胸が張り裂けそうにギリギリと痛む。



あんなに好きだった休憩時間さえも……苦しいなんて思いもしなかった。






キーンコーン。





チャイムが1限目の終わりを知らせてくれる。


それを合図に委員長の号令をして、先生にありがとうの礼。


そこからがぼくの苦痛の時間になる。



「鈴……」


大好きな人がぼくの名前を呼ぶ。


だけど、全然嬉しくない。



視界はまた、にじみはじめてくる。





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