ねぇ、ギュッてしてよ。
お願いだから側にいさせてください。side:雨宮 鈴





chapter:お願いだから側にいさせてください。side:雨宮 鈴





涙が止まらなくなると、もう嗚咽とかシャクリとかどうでもよくなって、子供みたいに大声で泣いてしまう。



こんなだから、霧我とは釣り合わないんだ。


そう思い知ると、余計に悲しくなる。



鼻水も涙もぼたぼたと流してしまう汚いぼく。



だけど、やっぱり霧我は優しい。




グイッ!!

「っつ!!」


ぼくは霧我の腕の中にすっぽりと収まってしまった。


「鈴、好きだ」



泣きじゃくるぼくの身体をギュッと抱きしめて……霧我は……。



なんて言ったの?





信じられない言葉を聞いたような気がして、パチパチ瞬きしたら……。


ぼくのあごを人差し指でクイッて持ち上げられた。


「あの、む……んんっ」



霧我って言おうとした口は霧我の口に塞がれちゃったんだ。



えっ?


ぼく……霧我とお別れするのに、どうしてキスされてるの?





...刀B・。刀B・。...

Side:Suzu...END


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