ねぇ、ギュッてしてよ。
いきなり嫌われちゃうの?side:雨宮 鈴





chapter:いきなり嫌われちゃうの?side:雨宮 鈴





そりゃ、ぼく、どんくさいからすぐコケる。

前も、霧我が好きっていう子に気を取られてダンボールの中身をぶちまけてしまったこともある。


でも……だけど……そういう言い方ってないと思う。




まるで霧我にとって、ぼくはお荷物だと言われているみたいで……。



「霧我……」



寂しくて寂しくて、そっと彼の名前を口にしても、余計に寂しくなるだけ……。




霧我に置き去りにされてしまったんだ。


これって、付き合っているって言えるのかな。






悲しくなってしまって、このあと始まる委員会にも行けなくて、近くだった自分の教室に逃げ込むと、前から二列目にある窓辺の席――そこに、まるで重力を思い切りかけられたみたいにトスンと座った。

ここはぼくの席じゃない。

ぼくの席の一個後ろにある霧我の席……。


机をそっとなぞって、霧我を思い浮かべてみる。


瞼を閉じて、そうして目の裏に見えるのは、ぼくから視線を逸らす姿――。




ぼくはもう、霧我の隣にいることもできないのかもしれない。




ぼくと霧我の想いは一緒じゃないのかもしれない。


そう思うと、涙で視界が歪んでしまう。



だけど、委員会は行かなきゃ。


にじむ視界をゴシゴシと乱暴に擦って元に戻すと、重い足で5階にある生徒会室へと階段を上った。




「遅かったな……と言っても、鈴はいつも通り、か」





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