chapter:いきなり嫌われちゃうの?side:雨宮 鈴 5階の生徒会室に、重たい足を運べば、そこにはもう席に座っている人物がいた。 女の人みたいに長いまつ毛に覆われた目を見開き、ぼくを視界に映すのは、相楽 紅葉(さがら もみじ)と言って、生徒会副会長をしている。 「ごめんね」 ぼくはひと言遅刻したことを謝ると、円になっている席のひとつ――白板と向かい合った紅葉の席の隣に座った。 「また霧我の手伝いをしていたんだろう? あれ? 霧我は一緒じゃないのか?」 そんなぼくを見てから、目線をドアの入口に固定した紅葉は、首をかしげる。 「うん、先生からの頼まれごとで少し……」 「鈴?」 「え? あ、うん……」 「何かあったのか?」 紅葉は相変わらず洞察力が優れている。 そんな彼は、ぼくと霧我の関係を知っている。 なにせ、霧我に対するぼくの恋心を一番最初に見抜いたのは他でもない紅葉だから。 「最近……霧我が冷たいんだ」 「冷たい?」 「うん、笑ってくれない」 「無表情は前からだと思うが?」 「ううん、そうじゃないの。ぼくを見ると、視線を逸らす回数が増えた」 「それっていつから?」 いつだろう。 考えていると、紅葉が口をひらいた。 「鈴、それがわかると、もしかすると何が原因なのかわかるぞきっと」 「そうなの?」 「ああ、考えてみて?」 「う〜ん」 |