chapter:身体、重ねて。Side:雨宮 鈴 映画を見終わって霧我(むが)と二人で映画館を後にした。 楽しい時間もぼくが来るのが遅かったから、せっかくのデートももう終わり。 時間は7時を回っちゃった。 家に帰らなきゃいけない。 帰りたくない。 もう少し……もう少しだけでもいいから、霧我と一緒にいたい……。 そう思うから、足取りもいつもよりずっとずっと、ず〜っと重くなって、歩幅も小さくなる。 地下にあった映画館から階段を上って外に出る。 ああ、霧我との時間はもう、今日は終わりなんだ……って思った時だった――。 ザアアアアア……。 外は、土砂降りの雨でした。 来る途中、たしかにすごく曇っていたもんね。 雪雲だと思ったのに、雨、降っていたんだ。 どこかできっと雪が降っているんだろうな……。 だけど、どうしよう。 ココから駅まで歩いて30分近くはある。 映画館から駅まで行くには屋根伝いじゃないから、どうやってもずぶ濡れになってしまう。 駅までどうやって行こう。 ――なんて考えていたら、霧我はぼくの腕を引いて歩き出した。 映画館のそばにあるショップ。 そこには雨傘を販売していた。 霧我は迷うことなくビニール傘を二本手にしてレジへ直行。 ……だよね。 少し、期待したんだ。 雨が降ってるから、どっかでもう少し雨宿りしようって言われるかもしれないって……。 |