ねぇ、ギュッてしてよ。
鈴がおかしい。side:有栖川 霧我





chapter:鈴がおかしい。side:有栖川 霧我





大丈夫……?



こんな真っ赤な顔をして、大丈夫なわけないだろう!!


グイッ。


「ひにゃぁああっ!!」


鈴の細い身体を横抱きにして、立ち上がる。


鈴はいったい毎日何を食べているんだって言うほど軽い。



こんなだから体調もくずすんじゃないか?



「紅葉」


「ああ、いってらっしゃい」



俺の言葉を汲み取った紅葉はひらひらと手を左右に振る。



「むがっ? あの、あのっ!!」


俺の腕の中で身じろぐが、そんなのは知ったことじゃない。



今は鈴の身体が大切だ。


「鈴、よかったね。君の念願が叶うよ」



立ち去り際に、紅葉が明るい声でそう言った。


それに合わせて、びくんと身体を震わせる鈴。




何の話だ?



よくわからないが、とにかく保健室に行こう。





...刀B・。刀B・。...

Side:Muga...END


- 37 -

拍手

[*前] | [次#]
ページ:

しおりを挟む | しおり一覧
表紙へ

contents

lotus bloom