chapter:鈴がおかしい。side:有栖川 霧我 大丈夫……? こんな真っ赤な顔をして、大丈夫なわけないだろう!! グイッ。 「ひにゃぁああっ!!」 鈴の細い身体を横抱きにして、立ち上がる。 鈴はいったい毎日何を食べているんだって言うほど軽い。 こんなだから体調もくずすんじゃないか? 「紅葉」 「ああ、いってらっしゃい」 俺の言葉を汲み取った紅葉はひらひらと手を左右に振る。 「むがっ? あの、あのっ!!」 俺の腕の中で身じろぐが、そんなのは知ったことじゃない。 今は鈴の身体が大切だ。 「鈴、よかったね。君の念願が叶うよ」 立ち去り際に、紅葉が明るい声でそう言った。 それに合わせて、びくんと身体を震わせる鈴。 何の話だ? よくわからないが、とにかく保健室に行こう。 ...刀B・。刀B・。... Side:Muga...END |