ねぇ、ギュッてしてよ。
限界。side:有栖川 霧我





chapter:限界。side:有栖川 霧我





我慢できなくなった俺は、欲望を下着から引き出すと、鈴の蕾に押し当てる。



「ん……」

「そのまま、ジッとして……」


「ん……むが……」


達したばかりもあってか、うまく呂律がまわらないのだろう。

幼児が発するようなつたない言葉になっている。


そこがまた、可愛い。





「っくぅ……」


熱を持つ欲望を鈴の中へと押し込むと、鈴の腰が跳ねる。

いくらほぐしたとは言え、はじめての行為だ。

恐ろしく痛いだろう。


ゆっくり、ゆっくりと自分に言い聞かせ、先へと進む。



そして――……。


「鈴、入ったぞ」

「ん、む……が……」


「わかるか?」


「ん、ん、ん」


俺の言葉にコクコクと小さくうなずく鈴。



「むが、むが……」


両手が宙に舞うのは、俺を探しているのだろうか。


「鈴……」


そっと両手を取ってやると、鈴はニコリと笑った。

そして、疲れたのだろう。

大きな目が閉じていく……。





「鈴、愛している」



そっと耳元で告げてやれば、口角が上がる。


それは美しい笑顔だった。




鈴、手放さない。

そう心に決めて、弧を描く唇に口づけを落とした。





...刀B・。刀B・。...

Side:Muga...End


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