ねぇ、ギュッてしてよ。
ギュってされて。side:雨宮 鈴





chapter:ギュってされて。side:雨宮 鈴





でも、ぼくは今、自分の部屋で、ひとりでベッドの上にいる。






あれれれれ?




なんだかとっても大切な出来事があったと思ったのに、何も思い出せない。



あれは夢の中の出来事だった?


夢を……見ていたのかな……。




ピピピピピ……。




そうやって考えているうち、頭上にある目覚まし時計が朝7時を知らせる。




ピピピピピ。



まだ固まっているぼくに、知らせてくる時計。


もう、うるさいなぁ!!


わかってるよ!!



ムクリとベッドから起き上がるぼく。


だけど……。



ピキッ!!

「はぐわっ!!」


ぼくの腰と直結してお尻が突然鋭い痛みを訴えてきた。



なに?

どうして?



そう思っても、考えてもぜんぜんわからない。


昨日、何かしたっけ?


コケたとか、腰を打ったとか?


ピピピピピピ……。


いまだ鳴り続ける時計を止めたいのに、ピキピキ痛む腰とお尻に悶え、一時停止をして冷や汗を流していると……。




バシンッ!!

ぼくの部屋をノックもしないで目覚まし時計よりも大きな音をたててドアを開ける人物。




はぅうっ!!


ぴっきーーーーーん!!


大きなドアの音で、ぼくの身体がまた痛みを訴える。




「鈴、あんたいい加減起きなさい!! 学校に遅刻するよ? あと、目覚まし時計、早く消してよねっ!! うるさくて仕方がないわ!!」





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