ねぇ、ギュッてしてよ。
ギュってされて。side:雨宮 鈴





chapter:ギュってされて。side:雨宮 鈴





ぼくそっちのけで。




それはいいんだけど…………やっぱりヤだ。


霧我はぼくの恋人なんだ。

いくらお姉ちゃんでも霧我は譲れないもん。



そう決意して、目覚まし時計を静かにした。



そこで気がついたのは、ぼくの寝巻き。

ブレザーを脱いだだけの、制服のままだったっていうことと……。


ぎゅるるるるる〜。




お腹が鳴ったこと。



そういえば、昨日、ぼくは夜ご飯を食べたっけ?


覚えてない。


えっと……えっと……。


考えても全然わからなくって、いまだにブツブツとお小言を言うお姉ちゃんの後を追って、ぼくも一階にあるリビングに向かった。





――……。





「おはよう」


ガチャリと生徒会室のドアを開けると、そこにはもうすでに資料を読むふたりの姿があった。



ふたりっていうのは、もちろん紅葉と霧我。


ぼくは重たい足を引きずって、なるべく腰とお尻に力を入れないようにしてふたりが座っている場所へと向かう。



……ほんと。

なんで腰だけじゃなくってお尻も痛いんだろう。



今朝はさんざんだった。


トイレは行けないし、しゃがむと痛いし、座るのも痛い。



そして歩くのも痛い。



とにかく、何をするのも痛い。


おかげで痛む腰とお尻をかばって歩く姿がおじいちゃんみたいだと、母さんとお姉ちゃんにさんざん笑われた。





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