ねぇ、ギュッてしてよ。
ギュってされて。side:雨宮 鈴





chapter:ギュってされて。side:雨宮 鈴





他人ごとだと思ってそう言ってるんだろうけど、ホントに痛いんだよ!!




それでも学校に行けってひどいよね。

鬼だ。

母さんもお姉ちゃんも鬼だ!!



でも、休むと霧我と会えないから、やっぱり休むのはイヤだけど。



ぼくってほんとに欲張りだ。




「鈴、身体は大丈夫か?」

ぼくの姿を目に入れたとたん、声をかけてくれたのは霧我だった。


霧我は、やっぱり家にいる鬼よりもずっとず〜っと優しい。



だけどぼくって、そこまで痛そうにしてるんだ。



「うん、大丈夫」


安心してもらおうと、にっこり笑ってみた。


だけど、霧我の顔は……。


はじめから皺が寄っていた眉間。

余計に深くなっちゃった。




霧我を心配させちゃったみたい。



「鈴、無理はしなくてもいい」


「大丈夫、大丈夫。少し痛いけど、たいしたことないから、きっと」


なんとか眉間の皺を取り除きたくて言ったのに、霧我は何かを考えるようにして一度ひらいた薄い唇を閉ざした。



「鈴、少し待ってろ」



そうかと思えば思考するのをやめたのか、背中を向けて部屋を足早に出て行ってしまった。



いったいどうしたんだろう?

「鈴」



う〜ん、と考えていると、横からにょきっと顔を出した紅葉が声をかけてきた。




「のわわぁぁぁっ!!」

すっかり自分の世界に入っていたから、紅葉のことを忘れていたぼくは、びっくりして体重を後ろに乗せちゃった。





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