chapter:ギュってされて。side:雨宮 鈴 ぴっきーーーーーーーんっ!! 「っつ!!」 はぎゃあああああああっ!! あまりの痛みに声はでなくて、代わりに心の中でありったけの叫び声を上げた。 「ふ〜ん、そうとう頑張ったんだ、昨日」 顔を床に下ろして、声にならない声で叫ぶぼくを尻目に、紅葉は淡々とした口調で告げた。 へ? がんばる???? なにそれ? わからない。 わからないといえば、霧我が大好きなお姉ちゃんが、今朝も霧我のことばっかり話してたよね。 昨日の霧我がカッコよかったとかなんとか。 昨日って……お姉ちゃん霧我に会ったのかな。 それに母さん。 霧我にお礼言いなさいって、ぼくに釘を刺してたな。 なんだろう。 よくわからない。 昨日……どうしたんだっけ? 痛みも忘れて考えていると、首をかしげるぼくに、紅葉はうんうんとうなずいている。 「で? どうだった? 霧我に抱かれたご感想は……?」 抱かれる? 霧我に? 紅葉の言葉がわからなくって、首を大きく捻ると……。 そういえば、昨日の放課後、この部屋でガコンって頭を机にぶつけた。 うっすらと戻ってくる記憶に、さらに深くまで追い込む。 そうしたら、蘇ってくる記憶の断片。 ぼくは……昨日頭をぶつけて、霧我に保健室へと抱えられて、その後その後……。 |