ねぇ、ギュッてしてよ。
胸ぐら掴まれて。Side:有栖川 霧我





chapter:胸ぐら掴まれて。Side:有栖川 霧我





「霧我……」


「!!」


タジタジな俺に唇を押し付けてくる鈴。


ますますたじろいでしまう。



そうしている間にも、鈴は口内へと舌を侵入させて、俺を誘惑してくる。



クチュクチュ。

水音が俺の聴覚を奪っていく――……。




マズい。

そう思ったのは、鈴によって刺激された俺の欲望がまた勃ち上がってくるのを感じたからだ。





まて、鈴!!



鈴の華奢な身体を強引に引き剥がした。


遠ざけた鈴の舌と俺の舌が、まるで俺の意志を受け継いだように糸を引く。



その後だった。


「どうして……霧我? どうしてぼくを拒絶するの?」


先ほどまで挑戦的だった目は涙を浮かべる。




「す……」
「ぼくじゃ、もう気持ちよくなれないから?」


また意味のわからないことを言ってのける鈴。



「鈴、俺は……」
「ぼく、昨日霧我を気持ちよくするのに失敗したから……もう、抱いてくれないの?」


どういうことかと思って鈴の言葉に耳をこらす。


そうしてわかったこと。

それはつまり――……。




『気持ちよくなってほしいって思わない』



今の行動はもしや昨日言っていた鈴の言葉に直結するのかもしれない。




「ぼく、昨日、霧我を気持ちよくさせてあげれなかった……」



うつむけて、しゃくりを上げはじめる鈴。




――ああ、なんてキミは……。





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