chapter:胸ぐら掴まれて。Side:有栖川 霧我 鈴の言葉に、愛おしさが込み上げてくる。 ポスンッ。 一度は引き剥がした身体を、もう一度引き寄せた。 「むが……?」 「鈴、俺は昨日、たしかにキミの中で達することはできなかった」 びくん。 俺の言葉に身体を震わせる鈴。 このまま手を離せば、鈴がどこかに行きそうで、先ほどよりも強くこの腕に抱きしめた。 「ごめ、な、さい……。今から抱いてもらってもいいから……だから……きらわないで……」 震える声が耳に届く。 「鈴、よく聞いて。達することはできなくても、キミと繋がって満足なんだよ」 性的なアルゴリズムまで感じられなくても、愛おしい人が俺を想って抱かれたことが、俺にとってはとてもすばらしいことで、誇らしい愛なんだ。 それをどうやって鈴に伝えればいいだろう。 ありったけの言葉を使って、鈴に伝えようとする。 うまくこの気持ちを伝えられないことが、もどかしい。 「鈴、俺は満足なんだよ」 鈴の首筋に顔をうずめてそっと囁く。 どうか、どうか理解して欲しいと思って……。 「む、が……むがぁ……。すき、すきなの……すきなの……」 うえ〜ん。 声を出して俺の腕の中で泣きはじめる鈴は、ようやく俺が思っていることを理解してくれたんだろう。 「……知ってる。俺も、身体をはってまで繋がろうとしてくれる可愛い鈴を愛しているよ」 |