ねぇ、ギュッてしてよ。
いきなり嫌われちゃうの?side:雨宮 鈴





chapter:いきなり嫌われちゃうの?side:雨宮 鈴





「じゃぁね、鈴」


そう言って、紅葉は背中を向けて軽い足取りで生徒会室を出て行ってしまった。




……シーン。



残ったぼくたちは、当然こうなっちゃうよね。


ぼくもいなくなった方がいいのかもしれない。


霧我ひとりの方が、きっと仕事も手早いし……。


そう思うと、ズキズキ痛いけど、仕方がないよね。



ぼく……本当に霧我と付き合っていると言えるんだろうか。



ぼく……霧我と別れた方がいいのかもしれない。



「霧我、あの……ぼくも……帰るね」





大丈夫、ぼくがいなくっても、霧我はしっかりしてるから……ううん。


むしろぼくがいない方が仕事は、はかどるね。




「ばいばい、霧我」


嫌われているってわかっているのに正面から霧我とお付き合いするのはやめようなんて言えない。


こんなだから、霧我に嫌われちゃうんだよね。

自然消滅を狙うなんて、ぼくってば、ことごとく弱虫だ。




ごめんね。

それでも霧我はチラリともこっちを見ようとはしない。



ダメ、泣いちゃダメ。



最後に笑いかけようって思うのに、うまくいかなくて視線を床に下ろしてしまう。


そのまま席を立って、紅葉の後を追おうとした。


その時。



グイッ!!


え?



「う、うわわっ!!」


突然、ぼくの腕が後ろに引っ張られ、後ろにひっくり返りそうになる。





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