chapter:やくそく。Side:雨宮 鈴 みんなにモテモテでさ……。 だけどぼくは霧我や紅葉とは違って何の取り柄もないただの高校生なんだもん。 正直、どうしてぼくが生徒会に入れたのかもわからないくらいなんだから。 そんなぼくが、霧我とお付き合いできてることなんて奇跡に近い出来事で……だから余計に霧我の隣にいたいって思うんだ。 もしかしたら、明日。 霧我の気持ちに変化があって、ぼくとはもうお付き合いできないって、そう言われるかもしれないって思うから……。 ぷくうっとほっぺたを膨らませて、紅葉を睨(にら)むぼく。 「あのさ、霧我には霧我の生活ってもんがあるだろう? 当然、その生活の中には人間関係も含まれるわけだ」 「知ってるもん」 「はじめは鈴の約束が優先順位だったとしても、途中でなんらかの出来事があって、霧我に大切な用事が出来たかもしれないだろう?」 「だから?」 ……気に入らない。 すっごく気に入らない紅葉の言葉に、ぼくはむくれながら話を聞く。 イライラ、イライラ。 ぼくの感情は一向に治まらない。 「そんなの、ぼくの約束が最初だったんだもん」 「鈴……いい加減にしろよ。どうして霧我にも何かあると思えないの? そんなふうにわがままを言ってたら……」 「ぼくは悪くないもんっ!!」 ガラッ、パシン!! ぼくは紅葉の言葉をさえぎって、曲げていた膝を伸ばして立ち上がると、すぐに生徒会室から出た。 |