chapter:やくそく。Side:雨宮 鈴 紅葉が言おうとしている言葉の続き――それはぼくが一番聞きたくない言葉だ。 だって、それはいつもぼくが思っていることだから……。 いつかはきっと、霧我に……振られる日が来るって……。 ――そう。 そうだよ。 霧我はいつもカッコいい。 勉強も体育も、なんでもできて、先生からも頼りにされて……。 いつかは振られるんだったら、日曜日くらい、楽しい思い出を持たせてくれたっていいじゃんか。 でも……でも……もしかしたら、もう遅いのかもしれない。 もう、霧我の気持ちは変わってしまったのかも……。 日曜日になる前に、もう霧我の気持ちはぼくになくって……。 そうなのかも……。 しれない……。 また……もどっちゃうのかな……霧我とお付き合いする前の関係に……。 ううん、前よりももっとタチが悪い。 だって、だって……霧我のことを好きだって知られた後なんだ。 もう、想うことすら許されなくなってしまう。 好きって言わなければよかった。 霧我とえっちしなきゃよかった。 霧我と両想いにならなきゃよかった。 そうしたら……ぼくは……こんな想いを抱くこともなかったのに……。 グシグシと涙と一緒に出てくる鼻水を吸いながら、ぼくは家に帰った。 そうして家に帰っても悲しい気持ちのまま、部屋に閉じこもって、泣いた――。 |