ねぇ、ギュッてしてよ。
やくそく。Side:雨宮 鈴





chapter:やくそく。Side:雨宮 鈴





紅葉が言おうとしている言葉の続き――それはぼくが一番聞きたくない言葉だ。


だって、それはいつもぼくが思っていることだから……。




いつかはきっと、霧我に……振られる日が来るって……。



――そう。

そうだよ。

霧我はいつもカッコいい。


勉強も体育も、なんでもできて、先生からも頼りにされて……。



いつかは振られるんだったら、日曜日くらい、楽しい思い出を持たせてくれたっていいじゃんか。



でも……でも……もしかしたら、もう遅いのかもしれない。


もう、霧我の気持ちは変わってしまったのかも……。



日曜日になる前に、もう霧我の気持ちはぼくになくって……。



そうなのかも……。



しれない……。




また……もどっちゃうのかな……霧我とお付き合いする前の関係に……。

ううん、前よりももっとタチが悪い。


だって、だって……霧我のことを好きだって知られた後なんだ。


もう、想うことすら許されなくなってしまう。



好きって言わなければよかった。


霧我とえっちしなきゃよかった。


霧我と両想いにならなきゃよかった。


そうしたら……ぼくは……こんな想いを抱くこともなかったのに……。




グシグシと涙と一緒に出てくる鼻水を吸いながら、ぼくは家に帰った。



そうして家に帰っても悲しい気持ちのまま、部屋に閉じこもって、泣いた――。





- 71 -

拍手

[*前] | [次#]
ページ:

しおりを挟む | しおり一覧
表紙へ

contents

lotus bloom