ねぇ、ギュッてしてよ。
やくそく。Side:雨宮 鈴





chapter:やくそく。Side:雨宮 鈴





コクン。

ぼくがとうなずくと、女子はえくぼをへこませて、ぼくと同じようにうなずいた。


「おばあちゃんの体調、良くなったからもう気にしなくてもいいって、そう伝えていてくれる?」


――え?


「今度の日曜日、ね。

実は、両親が急にお仕事入っちゃってね、あたしだけだと危ないかもしれないからって、霧我にも病院の付き添いをお願いしたんだけど、大丈夫みたいだから」



――え?


今度の日曜。


それって、ぼくとのデートの日?


親戚さんの……おばあちゃんが……。



それで霧我、ぼくのデートを断ったの?



そうしてぼくが放心している間に、女の子はいなくなっちゃった。



ぼくは去っていった子の言葉を悶々と頭の中で回らせていた……。



霧我は、ぼくのことを嫌うわけでも、他に好きな人ができたわけでもなくって……。


ただ、おばあちゃんの病院の付き添いでデートを断ったんだ……。



それなのに、それなのに……ぼくは――……。




『霧我なんて、電柱にぶつかって無傷でいたらいいんだ!!』



ひどいことを言ってしまった。




――霧我を疑ってしまった……。



ぼくは……。


「鈴!! やっと捕まえた!!」


ガシッ!!


「!!」




――それは皆が帰宅してしまった放課後。


日直だったぼくは日誌を書き終えて、先生に提出をしにいく途中。





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