chapter:やくそく。Side:雨宮 鈴 一直線に延びた長い廊下で、ぼくの腕は力強い腕に掴まれた。 そうして見上げれば、すっとした顔立ちの……霧我がいた。 きっとさっきまでずっと先生に捕まっていたんだろう。 おでこに汗がじんわり浮き出ている。 「霧我……」 久しぶりに霧我の名前を呼んだら、震えてしまった。 「鈴……日曜日のことなんだが……」 そう言って、申し訳なさそうに眉根を寄せる霧我。 「あ、お昼に霧我の親戚さん来たよ? おばあちゃんの体調良くなったって、良かったね」 にっこり笑ってそう言うと、霧我は細い目を大きく開けてぼくを見つめてきた。 罪悪感からその視線に堪えられなくって、冷たい廊下に視線を向けた。 そうして口をひらく。 「ごめん……。ごめんなさい……霧我のこと、約束破ったとか、怒ってしまって……」 「いや、鈴ごめん。俺の方こそきちんと説明できなくてごめん」 ううん、霧我から逃げていたからぼくに事情を言えないのは仕方ない。 だからブンブン頭を振って気にしないでと伝えた。 ポンポン。 大きな手で頭を撫でられて、そうしてぼくの身体が霧我に包まれるんだ……。 「そうか……ばあさん良くなったのか。よかった」 罪悪感がいっぱいで、霧我の顔、真正面から見ることができなくて、だから……ほっと一息つく霧我の顔を、こっそり目だけ動かして、様子をうかがう。 |