ねぇ、ギュッてしてよ。
ずっといっしょ。side:雨宮 鈴





chapter:ずっといっしょ。Side:雨宮 鈴





それなのに――どうして?




どうして……霧我は…………いるの?





少し離れた場所。

柱にもたれてうなだれる霧我の姿を見つけてしまった――……。



いつも伸びている自信満々な広い背中。


誰からも頼りにされている凛々しい霧我。



なのに……どうして……そんなに自信がなさそうなの?




霧我……自惚れてもいいのかな。


ぼくのこと、ずっとずっと大切に想ってくれてるって……。





――一歩。

また一歩……。

霧我に近づくぼく。


顔を地面に向けているから、ぼくが来たことにも気づかない。


そんな霧我に、ゆっくり近づいていく――。



「霧我……」


手が届くくらいの距離でそう言ったら……霧我は顔を上げて――目の前にいるぼくを信じられないって言っているみたいに、いつも細い目を大きくして、何回も何回も瞬きを繰り返した。


たしか、ぼくは昨日、バイバイって言った。


それは霧我にもきっと、下校時刻の、『さようなら』じゃないことはわかっていたと思う。


恋人としてのバイバイだって、理解してくれていると思う。



たしかにバイバイって言った。



「認めてない」


彼はそう言うと、戸惑うぼくに向かって力強い腕が伸びてきた。



グイッ!

柱の影に引き込まれて――……。


「ん、んんぅ……」


キスを……されたんだ――。





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